プリ管12AX7の解体ショー(その2)
こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。
電極部をバラしたのがつぎのFig.5です。
【Fig.5】電極部をバラした様子
Fig.5において、上部マイカと下部マイカを外すと、第1および第2プレートが外れ、第1および第2グリッド、第1および第2カソードが露出します。なお、右側のゲッタは、上部マイカの上方に設けられていたものです。
さて、プレートの内部はどうなっているのでしょうか。第1プレートを挟持して、上から見た様子がつぎFig.6です。
【Fig.6】第1プレートを上から見た様子
Fig.6において、第1プレートは、断面略ロ字形状をしており、略凹字状に折り曲げ形成された2枚の金属板の端部がスポット溶接されたものです。つまり、中身が空洞とされております。この第1プレートの内部には、第1グリッド、第1カソードおよび第1ヒータがそれぞれ配設されております。
【Fig.7】第1グリッド、第1カソードおよび第1ヒータの接写
Fig.7において、第1カソードの一端部から第1ヒータの一部が見えております。さらに、第1カソードの周囲を取り囲むように、第1グリッドが見えております。これらの後方には、第1プレートも見えております。
これらの各要素は、同軸状に配設されております。
つまり、同軸の中心線に沿って、第1ヒータが設けられており、中心線の第1ヒータから外側に向けて、第1カソード、第1グリッドおよび第1プレートの順で設けられております。なお、電気的には、第1ヒータ、第1カソード、第1グリッドおよび第1プレートは絶縁されております。
Fig.7をよく見ると、第1ヒータと第1カソードが物理的に接触しているようですが、これは、絶縁物質(第1ヒータの表面に塗布されている白い物質)を介しているため、両者は電気的に絶縁されております。
この第1ヒータを第1カソードから引き抜いた様子がつぎのFig.8です。
【Fig.8】Fig.7の第1ヒータを第1カソードから引き抜いた様子
Fig.8において、第1カソードがパイプ状であることがよくわかります。
次回につづく。
2010.6.7
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