固定バイアス方式とは(part 2) メサブギー編
固定バイアス方式におけるバイアス専用電源には、二種類あります。
バイアス専用電源種別 | 適用例 |
電圧可変型 | 固定バイアス方式を採用しているほとんどの真空管アンプ |
電圧固定型 | 有名なものとしては、メサブギーのギターアンプ |
電圧可変型は、真空管に印加されるバイアス電圧を可変することができるタイプであって、固定バイアス方式を採用しているほとんどの真空管アンプ(オーディオアンプ、ギターアンプ)に用いられているバイアス専用電源のタイプです。
具体的には、可変抵抗器(ポット、トリマ抵抗、ボリューム)を回すことで、バイアス電圧を自在に調整することができます。
何を隠そう、マイナスドライバー等で可変抵抗器を回しながら、バイアス電圧を調整する行為そのものが、真空管アンプユーザの悩みの種である「バイアス調整」だったのです。拍子抜けするくらいに簡単な行為です。
一方、電圧固定型は、バイアス電圧が固定(例えば、-51V)のタイプで、可変抵抗器がありません。従って、外部からバイアス電圧を変えることができません。固定バイアス方式における電圧固定型は、前述した自己バイアス方式とも違いますので注意してください。あくまで、電圧固定型は、固定バイアス方式の電源タイプです。
また、電圧固定型は、ギターアンプとして有名なメサブギーで採用されているタイプで、バイアス調整シンドロームに混乱を招く要因となっているタイプです。
すなわち、ヴィンテージサウンド®への問い合わせのうち、メサブギー関連の質問はつぎの2つです。
- 「メサブギーはバイアス調整が必要と聞いたのですが・・・・・。」
- 「メサブギーはバイアス調整ができないと聞いたのですが・・・・・。」
さて、2つのうちどれが正解でしょうか。上述した電圧固定型であることがヒントです。
正解は、2番目です。
メサブギーは、固定バイアス方式における電圧固定型ですから、バイアス電圧が固定で、調整することができません。バイアス調整したくても、できないのです。
メサブギーの販売店でパワー管交換を依頼し、その作業をご覧いただいた方ならおわかりだと思いますが、メサブギーにおいては、単純に、パワー管を新品に交換するだけです。上述した電圧可変型のように、マイナスドライバーで可変抵抗器を回すようなこともしません。
(次回に続く)
以上
2009.6.17
Good music !