音楽コンテンツを商用サイトで公開する場合の注意点
こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド® 代表の佐々木です。
商用サイトを運営していると、コンテンツの充実はお客様へのサービス向上に直結するため、運営者は、せっせと様々なコンテンツを制作します。コンテンツは、画像、文章、音楽等、さまざまな形態をとりますが、いずれのコンテンツであっても、著作者と著作権者が存在しますので、知的財産権がらみの適切な処理とスキルが要求されます。
運営者自らコンテンツを制作した場合には、運営者=著作者=著作権者となりますので、何の制約もなく、自由に商用サイトで公開できます。例えば、運営者が作曲し、演奏し、録音した音楽コンテンツをMP3形式で公開する行為を指します。
問題となるのは、運営者と著作権者とが異なる場合で、一番わかりやすい例ですと、CD屋さんから買ってきた音楽CDを、自慢の真空管アンプで再生し、それを録音したものを音楽コンテンツとしてMP3形式で公開する行為で、これは、立派な著作権侵害行為となります。
つまり、商用サイトの運営者と、音楽CDの著作権者とは異なり、同運営者は、著作権者から利用許諾を得ずに、無断で音楽コンテンツを使用していることになりますので、いわゆる、フリーライド(タダ乗り)行為で、絶対に許される行為ではありません。特に、商用サイトの場合には、モラルが問われるため、著作権侵害をしてしまうと、いままで築きあげてきた信用が一気に失墜します。
音楽CDを使った音楽コンテンツを公開する場合には、JASRACと著作物の利用許諾契約を締結し、対価を支払わなければなりません。なお、YouTubeには、一見すると音楽コンテンツが無断で利用されているように見えますが、YouTubeと著作権管理団体(JASRAC等)と包括契約が締結されており、YouTubeからは、著作権利用料が支払われております。
著作権侵害時の刑事罰
もしも、著作権を故意に侵害した場合には、つぎのような刑事罰が科せられます。
著作権を故意に侵害した者は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金に処せられる(懲役と罰金が併科されることもある)(著作権法119条)。
また、法人の代表者、従業員等が著作権侵害行為をしたときは、行為者のほか、当該法人も3億円以下の罰金に処せられる(両罰規定)(著作権法124条)。
もっとも、音楽CDは2000円前後で購入できるため、気軽な気持ちで侵害行為をするケースが後を絶たないのが現状です。
しかしながら、著作権侵害行為を容認することはもちろん許されませんので、音楽CD等の音楽コンテンツを無断で公開しているサイトを発見した場合には、JASRACに情報提供することも、著作権侵害を撲滅させるために必要なこととだと思います。
真空管聴き比べ(SOUND BAR)と著作権
一方、真空管聴き比べSOUND BARでは、真空管の組み合わせ毎に制作された音楽コンテンツ(ギターサウンド、評価)を公開しておりますが、著作権にかかわる権利関係はつぎの通りです。
- 著作者 Dr.Subsonic氏
- 著作権者 ヴィンテージサウンド(合資会社ささき)
Dr.Subsonic氏と弊社との間では、音楽コンテンツの制作に関する制作業務委託契約が締結されており、同契約では、著作権の帰属、権利行使の範囲、著作者人格権、対価等が詳細に明記されております。
Dr.Subsonic氏には、音楽コンテンツ(ギターサウンド、評価)を制作していただきましたが、この時点では、著作者と著作権者は、双方共に、Dr.Subsonic氏です。その後、ヴィンテージサウンドが音楽コンテンツの著作権を譲り受けたため、現在は、ヴィンテージサウンドが著作権者となっております。
ここで、注意すべき点は、著作権者といえども、著作物である音楽コンテンツ(ギターサウンド、評価)に手を加えることは許されません。例えば、ギターサウンドの一部を編集したり、都合の良い評価に書き直したり等です。
これは、著作者(Dr.Subsonic氏)に著作者人格権(公表権、氏名表示権、同一性保持権)があるからです。ちなみに、著作者人格権は、第三者に譲渡することができません。この著作者人格権に基づいて、真空管聴き比べSOUND BARでは、音楽コンテンツに著作者の氏名(♪Dr.Subsonic)を必ず表記しております。
もっとも、著作者人格権は、著作者に対するリスペクトや、著作物制作の苦労をねぎらう意味があるものだと個人的には思っております。
このように、音楽コンテンツを公開するには、権利関連の処理を適切にすることが求められます。
次回は、弊社が他社から侵害警告された?真空管と商標権との関係について、並行輸入問題とともにお話したいと思います。
2009.11.7
Good music !
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