真空管ネットショップの未来予測(その2)
こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。
ネットショップの場合、お客様とのコミュニケーションのハードルをいかに低くするかが重要であると考えております。お客様とのコミュニケーションがとられなければ、「真空管の良さ」を伝えることもできません。
ここでいう「ハードル」は、ずばり、敷居の高さです。
私も、現在のビジネスを始める前までは、皆さんと同じ、一般ユーザの一人に過ぎませんでした。もともと、真空管やアンプが好きでしたから、若い頃は、オーディオ専門店や、ギター専門店等を回り、店員さんにあれやこれやと、興味に任せて質問をぶつけておりました。
同世代の店員さんですと、話しやすいので、当然、敷居は低くなり、何でも気軽に聞くことができました。
が、しかし。
専門性が高い店舗や、無口で職人みたいな店員さんですと、「あの-、あの-、真空管・・・・・」という具合に、最初の言葉も出てこないほど、一気に敷居が上がり、結局、聞きたいことの10分の1も聞けずという散々な結果になることが多かったように思います。
特に、真空管という得体の知れないもので、何となく判っているが、あまり判っていないようなという対象物ですと、どうしても、専門店の店員が何でも判っているすごい人に見えてきて、それが、敷居をさらに高くしてしまいます。
このような傾向は、巷のオーディオ誌等を見れば判りますが、どこかの偉い評論家先生が権威主義的な評論を展開し、それをありがたく参考にする構図にどこか似ています。
そういう私は、オーディオ誌を見ると、もっと、肩の力を抜いたほうがいいのにと、いつも思ってしまいます。まるで、歌舞伎の舞台を固唾を呑んで観覧しているかのような雰囲気が、紙面から伝わってきて、正直、ちっとも、楽しくないのです。
一方、ギターアンプやベースアンプの業界に目を向けてみると、演奏するという能動的な性格があるため、受動的なオーディオ業界の権威主義的な側面は陰をひそめているように感じます。
しかしながら、ギターアンプ等は、楽器の一部であるという認識が浸透しておりますが、ギターアンプの心臓部である真空管も「楽器の一部」であるということの認識が希薄であるように思います。
この認識が希薄であること自体が問題ではなく、よりよいギターサウンドを作るという、永遠の課題を解決するための選択枝が一つ減ってしまうということが、「もったいない」のです。
つまり、ギターアンプ等のサウンド改善方法としては、ピックアップ、シールド、コンデンサ、スピーカ、そして、真空管等の交換がありますが、もっともコストパフォーマンスが高いのが、増幅作用がある真空管なのです。上述した選択枝から真空管が抜け落ちると、不毛な交換スパイラルに陥って、コストだけがかさむという構図にもなりかねません。
とはいっても、しょせん真空管ごときは、音楽を楽しむためのツールに過ぎませんが、それに魅了されている自分もいますので、されど、真空管ということになります。
従って、真空管屋としての私のミッションは、「真空管の良さ」を一人でも多くの方に伝えること、そして、若い次世代にも真空管を正確に伝えることだと思っております。
そのためにも、世界一、敷居が低いネットショップを構築することが、これらのミッションを遂行する近道と考えます。真空管ネットショップの近未来は、だれでも、気軽に、楽しく、真空管を語り合えるサロンのようにしたいものです。もちろん、現在進行中のリニューアルにも反映させます。
2010.6.13
Good music !
(c) 2010 VINTAGE SOUND