2012年4月10日火曜日

本当にバイアス調整不要? McIntosh MC275のヒューズ溶断の原因について

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

オーディオファイルにとって、一度は使ってみたい米国系アンプといえば、マッキントッシュのMC275が挙げられます。

MC275は、1961年に発売され、パワー管KT88×4本、75W+75Wという当時としては大出力に加え、トライファラー巻きの出力トランスを使い、これぞ真空管アンプのキングという風格漂う意匠に魅了されてやまないファンが多いアンプです。後に復刻され、現在でも新品で入手可能であるという点からも、その人気のほどがうかがえます。

このことから、流通台数も多く、日本全国のオーディオ販売店の店頭に並べられておりますが、真空管に強くないショップの場合、「パワー管KT88を交換する場合に、バイアス調整無しで交換できます。」というアナウンスをお客様にしているという話を、私のお客様から良く聞きます。

というのも、アナウンス通りに、自分でパワー管を入手して交換してみたものの、ヒューズが頻繁に溶断するようになったので、ヴィンテージサウンドに相談をした。という電話が多いのです。

ずばり申し上げますと、「バイアス調整無しで交換できます」は、真っ赤なウソで、正確には、「定電圧(-57V)の固定バイアス方式であるため、バイアス調整ができない回路構成で、-57Vに適合するようにセレクトされたパワー管KT88または互換球で交換しなければならない」のです。

つまり、パワー管は、個体差が大きいため、-57Vでも、電流が多く流れるものや、逆に少なく流れるものがあり、丁度良い電流のものをセレクトする必要があるのです。ヒューズが溶断するほとんどの原因は、電流が多く流れるパワー管を交換したことによるもので、対応策としては、電流が少ない個体のパワー管に交換すれば完治します。

今回のお話も、バイアス調整にまつわる都市伝説の一つということができます。

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(c) 2012 VINTAGE SOUND

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