2012年4月10日火曜日

中古アンプ購入時の心配ごと(その4)

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

前回の真空管の劣化が原因で、真空管を新品に交換してもなお、サウンドが気に入らない場合があります。

これは、第3の原因である「真空管ブランドの不適合」に他なりません。

真空管は同じ規格(例えば、EL34)であっても、複数のブランドが存在します。

EL34の場合、現行品では、エレクトロハーモニクス(エレハモ)、TUNG-SOL、JJ、Mullard等があります。

これらのブランドは、同じEL34ではありますが、真空管を構成する内部電極の材質、構造、配置が異なりますので、周波数特性が違うのです。

蛍光灯に例えると、同じ32W型でも、東芝、松下、日立で色味が違いますね。これは、蛍光灯から発せられる光の波長が異なるからです。

同様にして、真空管の場合には、音の周波数特性がブランドによって様々であるため、EL34でもエレハモとMullardとでは聞こえ方が違ってくるのです。

逆の言い方をすると、ブランド毎にサウンドのキャラクタを知っていれば、容易に理想サウンドを手に入れることができます。

中古アンプを手に入れたら、まずやるべき事は、真空管をチェックすることです。

バイアスが適正なのか、真空管が劣化しているのか、それとも、ブランドが良くないのか、この3つを検討するだけで、無駄なコストをかけることなく、最短で気持ちの良い音を出すことができますよ。

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オーダーメイドの「真空管選び

中古アンプ購入時の心配ごと(その3)

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

中古アンプでパワー管のバイアス調整が適正だったとしても、高域がキツかったり、こもったりしている場合があります。

その原因として考えられるのは、真空管の劣化です。

ここでいう真空管の劣化とは、周波数特性の悪化を指します。真空管アンプに接続されているスピーカから出力されるサウンドには、様々な周波数が含まれています。

周波数とは、究極的に簡単にいうと音の高低です。つまり、サウンドには、低音、中音、高音がそれぞれ含まれておりますが、周波数特性が悪化すると、低音が少なくなるとともに、高音が多くなります。

そうすると、新品のときには、心地良かったサウンドが、低音がスカスカで高音がキツイというサウンド傾向になります。

使用頻度にもよりますが、ギターアンプで1年、オーディオアンプで4年ほどで、周波数特性の悪化、つまり、真空管の劣化が進行します。

前回ご紹介したバイアス調整の適正判定法で、「適正」と判定されても、サウンドが気に入らなかったら、真空管の劣化を疑うべきです。

真空管が劣化すると、バイアス調整ごときでは改善できませんので、真空管の交換が必要になります。

このリフレッシュで聞き違えるほど元気なアンプにできるのも、真空管の魅力です。

次回は、第3の原因「真空管ブランドの不適合」についてシェアしたいと思います。

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中古アンプ購入時の心配ごと(その2)

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

第1の原因「バイアス調整のズレ」の話しをする前に、バイアス調整について、簡単に説明します。

バイアス調整は、可変電圧型の固定バイアス方式を採用しているアンプにおいて、パワー管に流れるプレート電流を適切な値に調整することを言います。

ここでのポイントは、バイアス調整は、ピンポイントで決まっているわけではなく、野球のストライクゾーンのように、範囲があって、その範囲に収まっていればOKであることです。

アンプのストライクゾーンは、結構広いので、少しくらいずれても、大きな影響がありません。

しかしながら、大きくずれている場合、つまり、バイアス調整が、ストライクゾーンを外れ、高めのボールや、低めのボールですと明らかにアンプが異常な状態となります。

まずは、高めのボールの場合は、上述したプレート電流が流れ過ぎている状態(過電流)となりますので、ヒューズが頻繁に溶断したり、パワー管が真っ赤になる赤熱状態となります。

この状態では、音が歪んだり、ボリュームが上がらなくなります。

一方、低めのボールの場合は、プレート電流が少なすぎるため、音圧が出ず、ボリュームを上げても、音量が出ない状態となります。

まとめると、

(1)パワー管が赤熱していないこと

(2)音に極端な歪みや音量不足が無く、普通に出ていること

この2点を満たしていれば、上述のストライクゾーンに入っている、すなわち、バイアス調整が適正であると、推測することができます。

次回は、第2の原因は「真空管の劣化」についてシェアしたいと思います。

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オーダーメイドの「真空管選び

中古アンプ購入時の心配ごと(その1)

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

真空管式のギターアンプやオーディオアンプを中古で購入される方は、多いと思います。

とりわけオークションに出品されている中古アンプは、試奏することができないため、落札後に、いざ音出しをしてみると「思っていた音とは違う」というケースが多く、私のところにも相談がきます。

中古アンプの場合には、真空管の交換履歴が不明で、かつオーナー数が多いほど、その傾向が顕著になります。

なんといっても、中古アンプの心配ごとのベスト1は、「音が気に入らないのは、適切にバイアス調整されていないのが原因かも?」です。

結論から申し上げますと、原因は3つあります。

第1の原因は「バイアス調整のズレ」、第2の原因は「真空管の劣化」、第3の原因は「真空管ブランドの不適合」です。

次回は、第1の原因「バイアス調整のズレ」についてシェアしたいと思います。

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パワー管4本のうち1本が損傷した場合の賢い対処法(その2)

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

前回は、1本だけ交換するのはリスクが高いのでやめてください、というお話をさせていただきました。

今回は、2本交換または4本交換のどちらにするかの判定基準をシェアいたします。ずばり、判定基準は、真空管の劣化具合です。

真空管が劣化している場合には4本交換を、比較的新しい場合には2本交換を推奨いたします。

劣化している場合に、2本だけ交換しても、まもなく古い2本を交換しなければなりませんので、結局高く付くと共に、新旧混合のため古い真空管がサウンドに悪影響を与え、いつまでたっても、パフォーマンスが出ません。

従って、思い切って、4本リフレッシュしたほうが、コスト面、パフォーマンス面の全てにおいて有利であるということができます。

一方、比較的新しい場合には、生き残っている真空管と、同ブランドでかつ同特性の2本を用意できれば、それと交換します。そうすれば、損傷前の状態のパフォーマンスを回復することができます。

但し、生き残っている真空管の特性を測定しなければなりませんので、これができなければ、安全面から4本交換を推奨いたします。

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パワー管4本のうち1本が損傷した場合の賢い対処法(その1)

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

真空管式のギターアンプやオーディオアンプのうち、大出力のプッシュプル方式では、パワー管(EL34、KT88、6L6GC等)の数が4本(6本、8本もありますが、ここでは話しをカンタンにするために割愛します)使われております。

使っているうちに、4本のうち、1本だけを割ってしまった、または1本が点灯しなくなったという苦い経験をされた方は、結構多いと思います。

かくゆう私のところへの相談でも珍しくない内容です。

さて、貴方ならば、どう対処しますか?

(1)1本だけ交換する

(2)2本だけ交換する

(3)4本全部を交換する

いずれかだと思いますが、経済性と音質とリスクを天秤に掛けて対処する必要があります。

まず、絶対にしてはいけないのは、(1)の1本だけ交換する方法です。これは論外で危険です。一見すると、最も経済的に思えますが、最悪トランスや抵抗の焼損が発生しますので、口を酸っぱくして言いますが、絶対に真似をしないでください。

理由は、プッシュプル方式というのは、2本づつのパワー管がペアになって動作します。4本ということは、2本+2本で、公園のシーソーのように、電気的にぎっこんばったんしながら、動作します。

シーソーの場合、体重が同じくらいの子供2人だと、スムーズにぎっこんばったんできますが、体重差が2倍もある2人がシーソーするとどうなるでしょうか。体重が重い人は、かなりの無理というか、膝が壊れるくらいがんばらないと、ぎっこんばったんできませんね。

これを同じように、パワー管の場合には、同じ特性の2本(つまり、マッチドペア)であることが必須の要件となります。ここで、どこからか1本のパワー管を入手しても、このパワー管と、元からついていたパワー管との特性が同じであることは確率的にまずありません。もっとも、真空管試験機で測定して選別すれば話は別ですが、一般の方は、同試験機など持っていません。従って、特性が異なるパワー管を動作させると、一方のパワー管に過大な負荷がかかり、大電流が流れ、焼損する可能性が高いのです。

ですから、1本交換はだめなのです。

次回は、2本交換または4本交換のどちらにするかの判定基準をシェアしたいと思います。

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修理店にアンプの真空管交換を依頼をする際に忘れてはいけないこと(その2)

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

依頼者は、依頼方針を決める必要があります。この方針の違いによって、依頼する際のポイントが変わってきます。

依頼方針としては、つぎのいずれかとなるでしょう。

(1)全ておまかせで、音が出れば、音質にはこだわらない

(2)新品時と同じ音質にしたい

(3)今よりも、音質のグレードアップを図りたい

(1)は、修理店にとっては一番作業しやすいお客様で、手持ちの真空管を使え、サウンドが変わってもクレームの対象とはなりません。

(2)は、現在実装されている真空管と同じ規格、ブランドのものと交換しなければなりませんので、修理店との事前の話し合いでは、同じものが用意できることを確認してから、依頼をしてください。間違っても、互換球だとか代替品を使ってはいけません。当然のことながら、同じ音質にはなりません。

(3)は、修理店のスキルと、コミュニケーション能力が問われる一番難しい依頼です。依頼者は、現状サウンドの問題点と、理想サウンドと、予算を修理店の担当者に具体的に伝えるのがポイントです。著名ギタリストの名前を挙げるよりも、「クリーンでは、倍音が乗った綺麗な音にしたい」、「歪みでは、キメが細かく、密度が高く、音が潰れない」という具合にわかりやすく伝えてください。修理店に十分なスキルがあれば、理想サウンドに適した真空管をセレクトしてくれます。また、予算を言わないと、闇雲に高価なヴィンテージ管ばかり推薦されることにもなりかねません。ヴィンテージ管は確かに良いですが、予算とのかねあいで優良な現行管と組み合わせることも有効な方法です。

最後に、(1)~(3)に共通することですが、交換前の真空管のブランド、本数、規格を記録してから修理に出してください。中には、交換前の真空管が高価なヴィンテージ管で、安価な現行品に交換されて、肝心のヴィンテージ管が戻ってこないという、詐欺のような例もありますのでご注意ください。

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修理店にアンプの真空管交換を依頼をする際に忘れてはいけないこと(その1)

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

真空管式のギターアンプやオーディオアンプを使っていると、いずれ真空管の交換時期がやってきます。

通常は、修理店(楽器店やオーディオ店等)にアンプを持ち込んで交換依頼をすることが多いと思いますが、思わぬ落とし穴がありますので、シェアしたいと思います。

その落とし穴とは、アンプが戻ってきて意気揚々と音出ししてみると、前と全然違う音になっていた、かえって、前のほうが良かった、ということが以外と多いのです。

原因は、単純明快で、交換前後で真空管ブランドが変わったことです。

真空管は一眼レフカメラのレンズに相当しますので、同じ規格KT88等であっても、ブランドによって構造、材質が異なるため、周波数特性が変化します。一眼レフカメラのレンズを交換することで、色味やボケ味の変化を楽しめるのと同様に、真空管の周波数特性をうまく利用すると、好みのサウンドに仕上げることができます。

がしかし、修理店によっては、真空管に対する造詣がなく、何のコンセプトもなく、電気部品の一つくらいの感覚で交換されると、上述のような悲しい事態となります。

真空管アンプは、電子工学上の増幅器である前に、楽器の一部という感性があるかどうかによって、修理結果が違ってきます。

次回は、依頼者が注意すべき点についてシェアしたいと思います。

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本当にバイアス調整不要? McIntosh MC275のヒューズ溶断の原因について

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

オーディオファイルにとって、一度は使ってみたい米国系アンプといえば、マッキントッシュのMC275が挙げられます。

MC275は、1961年に発売され、パワー管KT88×4本、75W+75Wという当時としては大出力に加え、トライファラー巻きの出力トランスを使い、これぞ真空管アンプのキングという風格漂う意匠に魅了されてやまないファンが多いアンプです。後に復刻され、現在でも新品で入手可能であるという点からも、その人気のほどがうかがえます。

このことから、流通台数も多く、日本全国のオーディオ販売店の店頭に並べられておりますが、真空管に強くないショップの場合、「パワー管KT88を交換する場合に、バイアス調整無しで交換できます。」というアナウンスをお客様にしているという話を、私のお客様から良く聞きます。

というのも、アナウンス通りに、自分でパワー管を入手して交換してみたものの、ヒューズが頻繁に溶断するようになったので、ヴィンテージサウンドに相談をした。という電話が多いのです。

ずばり申し上げますと、「バイアス調整無しで交換できます」は、真っ赤なウソで、正確には、「定電圧(-57V)の固定バイアス方式であるため、バイアス調整ができない回路構成で、-57Vに適合するようにセレクトされたパワー管KT88または互換球で交換しなければならない」のです。

つまり、パワー管は、個体差が大きいため、-57Vでも、電流が多く流れるものや、逆に少なく流れるものがあり、丁度良い電流のものをセレクトする必要があるのです。ヒューズが溶断するほとんどの原因は、電流が多く流れるパワー管を交換したことによるもので、対応策としては、電流が少ない個体のパワー管に交換すれば完治します。

今回のお話も、バイアス調整にまつわる都市伝説の一つということができます。

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以外と気づかない米国117V仕様のアンプを100Vで使用するデメリット

こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド 代表の佐々木です。

米国仕様のオーディオアンプ、ギターアンプは、電源電圧117Vで、これを日本のコンセント100Vにつなぐとどうなるか。

「アンプにとって、低電圧のやさしい駆動方法だから長持ちしますよ」なんてアドバイスするショップがあったら技術的に未熟なところですので、迷わず避けましょう。

117V仕様のアンプは、117Vで最高のパフォーマンスが出るように設計されていますので、100Vを117Vに変換する昇圧トランスを使いましょう。

というところまでは、私もブログ等で声を大にして申し上げてきました。

ところが、先日、お客様である山口県のK様より、トラブル解決の連絡があり、私も目から鱗の現象でしたので、みなさんにシェアします。

K様は、オーディオプリアンプの傑作 Marantz 7のオーナーで、片チャンネルの音量が小さいというトラブルでご相談をいただきました。

私は、片チャンネルに対応するプリ管のゲインが低下しているのではと推測し、音質向上を兼ねて、12AX7 6本マッチをご提案いたしました。

ご購入いただき、数日後、K様より、トラブルが改善されないとのご連絡がありました。

真空管以外のパーツの劣化の可能性をお伝えしてから、まもなく、K様より「トラブルが解決した」とのご連絡があり、詳細を伺うと、今まで、100Vで使っていたものを昇圧トランス117Vを使ったところ、片チャネルの音量も上がり、左右バランスがとれたとのお話。

まさしく、100V使用のデメリットの本質を垣間見た気がしました。

アンプの調子がおかしい場合、パーツの不良を疑う前に、電源電圧を確認するほうが先ですね。

電源電圧の最適化を図るだけで、どれだけのアンプのトラブルが解決されるか。

原因不明のトラブルに悩まされているアンプオーナー様は、是非お試しあれ。

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