理由は、真空管が周波数フィルターだからです。
真空管を交換すると、高域が出たり、逆に低域が出たりして、なぜ、サウンドが変化するのでしょうか。
理由は、真空管が周波数フィルターとしても機能しているからです。周波数フィルターは、サウンド信号に含まれる全周波数のうち特定の周波数成分だけを通過させる役目を果たします。さらに、真空管の場合には、増幅機能もありますから、特定の周波数成分が強調され、フィルターとしては能動的に動作します。
ここで、一眼レフカメラのレンズも周波数フィルターの一種です。レンズの場合には、サウンド信号よりも高い周波数(可視光線)を扱いますが、原理は真空管の場合と同じです。つまり、一眼レフカメラの場合、レンズを透過する光に対してフィルタ作用が生じるため、光カメラボディは同じでも、レンズを変えると、同じ被写体であっても、色味や全体の感じを変化させることができます。
ギターアンプの場合には、プリ管という第一周波数フィルターと、パワー管という第二周波数フィルターという2つの周波数フィルターが使われております。サウンド信号は、第一周波数フィルター(プリ管)を通過する際に一回目のサウンド変化を受け、第二周波数フィルター(パワー管)を通過する際に二回目のサウンド変化を受けて、スピーカーから出力されます。
真空管は、増幅機能だけが注目されがちですが、周波数フィルターとしての機能を知らないと、闇雲に真空管を交換しつづけるというスパイラルに入り込んでしまいます。
真空管の特性を知ることが、理想サウンドを作り出す上で最も重要な一歩ということができます。
プリ管が立派でも、パワー管の選び方を間違えると、全てが台無しになるケース
上述では、プリ管にECC803S JJ ゴールドの中ゲイン(ハイエンドクラス)、パワー管に KT77 JJの中パワー(ハイエンドクラス)を使い、太い低音サウンドを実現した成功例についてご紹介いたしましたが、プリ管はそのままで、パワー管として、EL34B TADの中パワー(ハイエンドクラス)を選んでしまうと、サウンドはどうなるでしょうか。
理想としていた低音指向ではなく、逆に高音指向のサウンドとなってしまいました。
期待ハズレの失敗例です。
このように、パワー管の選び方を誤ると、いかにプリ管が立派でも、台無しになってしまいます。
逆に、パワー管が立派でも、プリ管の選び方を間違えると全てが台無しになるケース
今度は、逆に、パワー管はそのままで、プリ管として、12AX7WA Sovtek 中パワー(ハイエンドクラス)を選んでしまうと、サウンドはどうなるでしょうか。
このケースも、理想としていた低音指向のサウンドと、真逆の高音指向のサウンドになってしまい、上述のパワー管の誤選択のケースよりもその傾向が顕著です。
これも期待ハズレの失敗例です。
プリ管とパワー管とをバランス良くデザインすることが肝心
上述した2つのケースから明らかなように、プリ管だけに注目しても、パワー管だけに注目してもダメで、プリ管とパワー管とをバランス良くデザインすることが、理想サウンドへの近道となります。
とは言っても、プリ管とパワー管との組み合わせの多さ、環境、個人の好み等の要素が複雑に絡みあうため、選ぶこと自体が非常に難しいのが現実です。
真空管のセレクトには、長年の経験と情報がモノを言います。
是非、ヴィンテージサウンドのオーダーメイド真空管セレクト(無料)をご活用ください。
つづく
2009.11.17
Good music !
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