真空管の寿命を著しく短くする効果的な方法(最終回)
こんにちは、真空管専門店 ヴィンテージサウンド代表の佐々木です。
最終回は、真空管の寿命について、残りの要件について説明します。
(2)真空度の低下
真空管は、所定以上の真空度が維持されて、はじめて正常に動作することは言うまでもありませんが、様々な原因で真空度が低下し、寿命となります。
最もわかりやすい例ですと、目に見えないガラスの亀裂により、内部に空気が混入してしまうことです。空気が混入する経路としては、ピンと真空管内の各電極とを接続するジュメット線近傍です。
ジュメット線は、真空管のガラス底面を貫通してなり、その熱膨張率は、理論上、ガラスの熱膨張率と等価とされております。しかしながら、ジュメット線の材質の不均一等により、熱膨張率にはわずかな開きが存在します。
この開きが大きい固体ですと、通電して短時間で、温度上昇とともに隙間ができ、空気が混入し、その真空管は、寿命となります。空気が混入した場合には、ゲッタと呼ばれる鏡面部分が真っ白く変化しますので、目視でも判別できます。
(3)ヒータの断線
振動や経年劣化により、ヒータが断線すると、熱電子を放出させることができませんので、真空管の寿命となります。ヒータが断線すると、オレンジ色に点灯しなくなります。但し、現行品の12AX7等では、構造上、オレンジ色に光る部分がマイカ板で隠されているものがありますので、ヒータが断線していなくても、点灯状態が見えませんので注意が必要です。
なお、ヒータ断線の有無は、テスターを使って確認してください。テスターは、抵抗レンジに合わせて、2本のテスター棒を、真空管のヒータピン(2本)に当接させて、導通が無ければ断線と判断できます。
(4)電極間ショート(絶縁不良)
真空管内部は、針金や金属板が近接配置された構成とされているため、振動により、それらが接触する場合があります。接触した場合には、電極間がショートするため、真空管の寿命となります。電極間ショートの有無は、テスターで各電極間の導通を調べるか、真空管試験機でショート試験の実施でわかります。
(5)許容値以上のノイズ発生
真空管のトラブルで最も多く、やっかいなのがノイズの発生です。真空管の場合、マイクロホニックノイズ、ハムノイズ、残留ガスノイズ、フリッカノイズ、ショットノイズ等が挙げられますが、これがら複合的に起因していることが多いのです。
どんな真空管にも、必ずノイズが存在し、個体差により、ノイズの大小が存在します。従って、ノイズが許容値以上となった場合に、真空管の寿命となるのです。
(6)物理的な破壊(例えば、ガラスが割れる)
上述した6要件のうち最もわかりやすいものが本要件です。真空管を誤って落としたら割れたという苦い経験をお持ちの方は多いことでしょう。かくゆう私もこれまで100本以上は割っているはずです。
また、ガラスが割れなくても、ナス管の場合には、電極が傾き、電極間ショートしてしまうことが多いので注意しましょう。ナス管の場合には、縦置きにした状態で保管するとともに、配送梱包時には、天地無用指示を明確にしてください。
以上
2010.2.20
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