固定バイアス方式とは(Part 3) メサブギー交換編
メサブギーの場合には、固定バイアス方式(電圧固定型)の採用により、パワー管交換時であっても、バイアス調整が不要である旨を説明いたしました。
さて、実際には、どのような仕組みでそれを実現しているのでしょうか。
簡単に言うと、アンプ本体側の設定に合わせてセレクトした真空管を純正管として用意し、これを販売しているのです。アンプ本体側の設定に真空管を合わせるという点では、ヴィンテージサウンド®で実施している逆バイアス調整と技術的コンセプトが同じです。
但し、メサブギーと逆バイアス調整とでは、精度に大きな相違があります。メサブギーの場合には、パワー管のセレクトランクは、プレート電流に応じて3段階ほどしかありません。
グリーン、イエロー等の色で分けていますが、グリーンといっても、ある一定の幅(誤差)がありますので、同じグリーンでも、電気的特性(プレート電流)にバラつきが生じます。従って、同じグリーンに交換しても、厳密には、同一特性とはならない場合が確率的に高いのです。
これに対して、逆バイアス調整では、真空管試験器でプレート電流をピンポイントで測定し、この正確なプレート電流にあわせて真空管をセレクトしますので、格段に精度が高いと言うことができます。逆バイアス調整は、バイアス方式を問わないため、メサブギーのオーナー様にもご利用いただくことができます。
メサブギーの3段階に対して、10段階のセレクトをしているのが、グルーヴチューブのレーティングシステムです。10段階のほうが、精度が高いことは確かですが、ピンポイントで測定する逆バイアス調整には遠く及びません。
メサブギーの固定バイアス方式(電圧固定型)には、メリット、デメリットがあります。
【メリット1】 メンテナンス性の向上
バイアス調整を不要としたことで、パワー管交換を伴うメンテナンス性を飛躍的に高めることができる。
メリット2 メンテナンスコストの削減
バイアス調整費用(1万円前後)が発生しないため、メンテナンスコストを削減することができる。
メリット3 メーカー主導のサウンドコントロールが可能
純正管を使い続けることで、メーカーが設計当初に意図したサウンドがほぼ維持されるため、メーカー主導でサウンドをコントロールすることができる。
デメリット1 純正管が高価
メサブギーの真空管は、一般的に高価です。確かに、試験をしてセレクトをしているのですが、私共から見れば、試験項目やセレクト方法にはそんなに大差はありません。むしろ、エージングをきっちりした上で、セレクトすることが肝要です。
デメリット2 純正管の呪縛
メサブギーでは、技術的スキルが無いと、純正管だけを使い続けることになり、他ブランドのパワー管を試すことができません。いわば、純正管の呪縛から抜け出せないシステムです。但し、純正管のサウンドが気に入っているのであれば、もちろん、何ら問題はありません。
言ってみれば、純正管サウンドは、メーカーからの押し付けにもなりかねません。サウンドの好みは、一人一人違うため、様々なブランドのパワー管を試して、好みのサウンドにカスタマイズするのが理想的です。しかしながら、純正管の種類が非常に少ないため、メサブギーオーナーに選択の余地がほとんど無いのが現状です。
ヴィンテージサウンド®のバイアスフリー倶楽部(無料)をご利用いたければ、メサブギーオーナーも、他ブランドのパワー管を容易に試していただくことができ、サウンドデザインの選択肢を増やすことができます。実際に、メサブギーオーナーからのご相談も数多くお受けしておりますので、安心してお電話ください。
(次回に続く)
以上
2009.6.20
Good music !